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FDG-2 | FDGの構成

FDGの一般的なアーキテクチャは、図に示すように、文法部、概念部、出力部、文脈部の4つで構成されています。
文法部を中心に、概念部を上部に、出力部を下部に、文脈部を右に配置しています。

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FDGの特徴:トップダウンモデル

FDGの特徴は、厳密なトップダウン構造にあります。
FDGは、話し手の意図[概念部]から始まり、調音[出力部]までの働きがあります。
これは、文法モデルの構成が人の言語処理のプロセスに似ているほど、より効果的であるという仮定に基づくものです。
(つまり、頭の中に思い描いたものを口に出す、という人の言語処理プロセスを、トップダウンの文法モデルとして再現するということです。)

言語生成がトップダウンであることの背景は(Levelt 1989)を参照

【文法部の補足説明】
文法部の楕円(水色)操作を表します。
箱(黒線)は操作に使用される素子を表します。
長方形(赤線)は操作によって生成される表現レベルを表します。ここには操作によって生成される表現レベルを含みます。

簡単に、一般的なトップダウンプロセスを見てみましょう。

状況:相手が、雄牛がいる場所に入ろうとしているとき。

(1) There’s a bull in the field! 農場に牛がいるぞ!

この発話で、言語以前の(コトバになる前の)概念部では、
①コミュニケーション上の意図(警告を発すること)と
②それに対応する心的表現(危険を引き起こす出来事)が結びついています。(概念部の説明を参照)

図では概念部の情報は、文法部形式化に送られます。
形式化の操作は、これらの概念表現を、対人関係レベルおよび表象レベルにおける語用論表現と意味表現にそれぞれ変換します。(どういう言い方をするかという変換)

警告は英語では独立した発語内カテゴリー illocutionary category ではありませんが、話し手は対人関係レベルで強調操作子(〜だぞ!)と組み合わせた宣言的発語(〜がいる)を選択することによって、この問題を解決します。

このあたりの発語内行為などの理解には、J.L.オースティンの語用論の背景知識が必要です

対人関係レベルでは、危険を引き起こしている実体(牛)はさらに焦点トピックとして特徴づけられます。
表現レベルでは、話し手は危険を引き起こしている実体(牛)を位置的な述語フレーム(There is — in — 構文、〜に〜がいる)の一部として指定することを選択します。

対人関係レベル表現レベルの設定(there isなど)は、形態統語エンコード Phonological Encodingという操作によって、形態統語レベルで形態統語構造(実際の発話の語の並び)に、変換されます。
(存在を表すthere is–の語順や、「ダミーのthere」を使うといった操作による変換を行う)

同様に、対人関係レベル、表象レベル、形態統語レベルの構造は、音韻レベルにおいて音韻構造に変換されます。

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