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日本酒味わい図式:動詞の言語化支援

「日本酒味わい図式」は,動詞表現を支援するための図式です.

共著書籍『ふわとろ SIZZLE WORD 「おいしい」言葉の使い方』にて発表しています.

目次

制作背景

味わいの言語化支援というと,いわゆるソムリエのテイスティング・ワードのような,名詞のワードセットをまずは用意することからはじまるように思える.
しかし認識においてはモノにたいしてコトが先行するのであって,感覚の言語化においても,モノの世界を語る名詞よりも先に,コトの世界を語る動詞,形容詞,あるいは副詞的な言語化からスタートするべきだというのが本研究の立場である.

私も以前は,まず味の要素をあらわす名詞のセットを準備し,そののちに味の要素間の関係性を示すものとして動詞の言語化支援を行うという順序を考えていたが,その考えは本稿で改めたいと思う.
味わうという行為においては,かかわり,あるいは事態(コト)が生起していて,その関わりのひとつの項として名詞的な認識,識別に至るのであって,その逆ではない.

イメージとしては,「暗闇の中を何かが走ったのは分かるが,”何”が走っていったかはわからない」というような事態が,とくに味覚においては頻発する.

詳しくは「味わいの認知の起点

動詞の機能

動詞世界は,モノではなくモノの動きや働き,そして概念を指示対象とするという特徴があるために,曖昧で多義的である.本研究ではそうした動詞というものが根源的に抱える曖昧性と多義性を前提とし,適切な動詞表現を産出するためのツールとして,「日本酒味わい図式」を提案する.

制作手順

コーパスから動詞を抽出

→KJ法により,類似する動詞をクラスタリング

→クラスタごとに図式を描画

この図式は,クラスタリングされた動詞群に対応しており,各群の動詞に共通するイメージを,抽象的な図で示したものである.
たとえば,図のAの図式は「変わる」「変える」「転じる」という動詞群に紐付いている.
同様に図Bの図式は「まじる」「まざる」「とけ込む」「とけ合う」「まじりあう」という動詞に紐付いている.
このように,各動詞群を抽象化したイメージを二色,二次元の図で表現したものが「日本酒味わい関係図式」である.

使い方

Step 1.日本酒を呑み,表現したい味の要素を決める
Step 2.上段の図を眺め,味の関係性のイメージに近いものを選ぶ
Step 3.図に紐付いた下段の動詞リストから,イメージに合うものを選ぶ

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