福島宙輝 Hiroki Fxymaです
略歴
慶應 博士課程
九州女子大学 専任講師
台南応用科技大学 講師
2023年9月〜 現職
研究内容
味の美学(賞味経験の探索的な記述方法)
知能研究、認知言語学、認知科学
学会:人工知能学会、認知科学会
業務内容
IR、DX
Web管理
認知科学の教育研究
数値化・言語化しづらい学生の能力の評価方法の提案
研究目標:視覚偏重、眼の支配を打破する
ほかの感覚は私たちと世界を結びつける一方で、視覚は私たちと世界を隔てる
『建築と触覚』ユハニ・パッラスマー
味を表現している背景にある視覚の支配

視覚と異なり味覚や嗅覚は階層的な認知をしていないので,
分類学的な構造よりも感覚に寄り添った形式があるはず
味覚には味覚の体系が必要
認知科学を先導する美学
味の科学的分析は「食べる」経験の分析にはならない
センサーで「測る」だけではわからない
何かを「味わう」という経験がどういうものかの理論が無いと、「食べる」「味わう」「賞味する」という経験の分析ができない
認知科学で人が「食べる」経験を扱うために、美的経験や鑑賞といった美学の理論を参照しています

たとえばピザは持ち方によって「経験」が変わる
(機械で分析したら当然同じ「味」)
こうした経験の差異はどのように分析できるのか?
時間性に注目
「食べる」は4つの時間相で構成されている(Fxyma, 2023)
・無時間(時間が意識されていない)
・線時間(不可逆で一方向)
・円時間(反復し,循環する鑑賞)
・点時間(すべてが同時に同空間に現れる,凝縮した時間)
線形時間:握り寿司
・「寿司は左から食え」
・不可逆で反復のない時間
円環時間:ちらし寿司
・具材の順序が先験的に決まっていない
点時間:巻き寿司
・すべての要素が同時に,同空間に現れる
(無時間)
・ シャリだけ,サーモンだけとか






詳しくは↓

言語表現の研究
味の言語表現の2つのモード
・評価、分析のための表現
・発見、探索のための表現
ことばの意味は対象やコミュニティに依存する
透明な
透明な酒質(日本酒)
透明感のあるコーヒー
日本酒の文脈の共起関係を調べると

普通の辞書には載っていない 透明な の意味
それぞれの言葉には役割がある

この分析をもとにすると、味わい用語の事典を作ることができます。
「透明な」の例はこちら(noteにリンクします)
なぜことばにするのが難しいのか
1.ことば(単語)の不足 (言語による)
2.認知能力の不足 (個人による)
3.味わうことへの理論、思想が無い (どうしようもない)
人類は、まだ味わい方を知らない
例えば「時間性」が大事だということが理論化されていない
「味覚センサーには時間性がない」
「AIは人間の味わいを理解できない」
だけど…
❌ センサーが未発達、分析方法が未発達 (科学レベルの原因)
✅ 時間が大事だと理解していない。味の時間的性質 Temporality を科学者が知らない。
味わうとはどういうことか?に関する思想の不足
技術の不足ではなく、技術や科学を先導する哲学の不足
パフェをミキサーでごちゃまぜにするのは、全部の音を一気に鳴らして「分析」するようなもの
さすがにダメだと分かる
音楽ならどうするか
→ 拠り所となる音楽の時間理論がある(思想)
→ 何を分析したら良いかが分かる (科学)
→ 具体的な作品の分析